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思うこと

昨今のニュースで、やはり気になるのは例の論文の件。

ココで述べるのは、私自身が見聞きした情報に基づいた
あくまでも個人的な見解であることを、先に述べておきます。

一応研究という分野に身をおく人間としては、この話題はずっと気になっていました。
そんな中、思いがけず私の周りの方々が、
話題の方々と非常に近いという事が判明し、、、
表には出ていない事も含め、色々な背景を伺う事が出来ました。

そして感じたのは、報道されている事と内部の実情には開きがあるということ。
各研究所、各研究者…それぞれの様々な思惑が渦巻いていることにより
今回の事件が起きてしまったのだということ。。。

色々と問題があるのは確かです。
ですが、一人だけの問題では無く、それだけで語るには疑問に思える事が山ほどあります。
表面上のことだけで考えれば、筆頭著者1人の責任と言えますが…
Natureに投稿する程の研究内容を、、、それも理研から発信したというのに
今回の一件は、あまりにもお粗末な事態です。

公的機関の研究所、国際論文(しかもNatureレベル)の投稿、国際的な共同研究、
理研という研究所……
こうしたキーワードが少しでも何となく分かる方々にとっては
報道されている面だけでは、かなり腑に落ちない点があると思います。
確かに、問題アリだけどさ・・・・なんか変だよね?って思う。
(そもそも共著者はチェックしなかったの?何でacceptされたの?)

純粋に実験をして、成果を出したかったという人が
一番悲しい思いをしているのではないでしょうか。

なんだか色々と考えさせられる問題です。
それだけ注目される素晴らしい研究をすればするほど
こうして、色々な思惑に巻き込まれていく・・

マスコミはリケジョだなんだと一気に持ち上げ、
今は手のひらを返して叩きまくり・・・
なんにも知らない世間一般の人達にまで、犯罪者のように言われ…
(Natureが何か、理研が何かもわからない人がよってたかって…)
彼女の落ち度は勿論あるのですが
必要以上に持ち上げられ、必要以上に叩かれている気がします。

ここからは本当に個人的見解ですが…
今回の件は、稚拙ではあるけれど悪意は無いように思います。
悪意があるなら、もう少し手が込んだ事をすると思いますし…(笑)
マスコミの前に出てこないのではなく、出してもらえない。
24時間監視体制…そりゃそうでしょう、、
(良くも悪くも…)勝手な事を話されても困りますから。
本来であれば、まともな研究体制だったら、こんな事にもならなかったでしょうし…

話題の論文と同じような分野の研究に携わる友人達に、
この細胞について聞いてみたところ
「それらしき細胞はあると思う」という解答が多かったです。
ですから、決して今回の研究結果が全くの嘘だった訳でな無いのだと思います。
当事者である女性研究者さんは、どん底からでももう一度でも二度でも
また這い上がって来る強さを持っていると思います。
是非、今度は共同研究者もシッカリと見極め、
研究機関も見極め、そしてなにより誰からも文句を言われない論文を投稿して欲しいです。


今回の事件は彼女の研究人生だけでなく
日本の研究報告の信頼問題にまで発展しています。
第一線で活躍されている研究者の方々には由々しき事態です。

私も現在論文執筆中なので
色々気をつけなければと思っています。
とくに、、、学生の実験などは、本当に信用出来るかどうか不安な面もありますからね(笑)

兎にも角にも・・・
この論文のニュースは、見ていて色々な意味で胸が痛みます。


最後にオマケのマロン写真。
潜伏中なう
思うこと_e0056272_20272104.jpg





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by tenshinoringo | 2014-03-18 19:09 | 研究&人を育てること | Trackback | Comments(0)

始まりはファーブル昆虫記とシートン動物記・・・そしてつくば万博と白衣への憧れ。アンポンタンな短卒派遣社員研究員から苦節10ウン年。大学教員を経て、次なるステップに歩み始めたヘッポコ研究員の日常です。


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